計画を大幅に前倒しして、あと4、5年で満杯になるとされるごみの埋め立て処分場(最終処分場)の緊急事態を踏まえ、網走市役所は市内8カ所での住民説明会を通じて、ごみ分別の徹底など埋め立て処分場の延命策に向けて理解と協力を求めている。
現在の計画(循環型社会形成推進地域計画)では、埋め立て処分場は2032年度までの15年間使える。しかし、昨年10月の調査では「あと4、5年」との結果。主因は、計画に盛り込んだ生ごみの100%たい肥化を含めた「分別100%」を達成できていないためだ。
こうした状況を踏まえ、市は住民説明会を開催し、現行の計画が破たんした理由や埋め立て処分場の延命策としてごみ分別ルールの厳守を呼びかけている。6月23日のエコーセンター2000での説明会が最終となる。
同13日に南コミセンで開かれた説明会には約20人の市民が参加。市役所の担当職員は、埋め立てごみや生ごみの排出量が計画の目標値に対して大幅に上回っている現状をグラフなどを用いて説明した上で、計画が破たんした要因について「(ペットボトルや紙類などが多く混在する)埋め立てごみの内容と、生ごみ処理が計画通りに進まなかったこと」とした。
参加者から寄せられた、生ごみたい肥化センターの増設費についての質問に対して、市の担当者が「約9千万円かかっている」と答えると、会場からはため息が漏れていた。
市の担当者は、埋め立て処分場を延命するため、埋め立てごみに缶やペットボトル、紙類、生ごみ、容器包装プラスチックなどを混ぜて排出しないよう要請。参加者の男性は「(このままだと網走市は)ごみ地獄になってしまう。市役所職員が本気を出してやらないと、住民はついていかない。市役所はしっかりやってほしい」と、要望していた。 (大)