置戸町ぽっぽ絵画館の開館10周年を記念して画家・木原和敏さん(65、広島県)の特別展が開かれるなか、21日には木原さん本人が来館し、作品の前で解説を行った。透明感のある女性を表現した油彩・水彩の人物画で定評あるが「出来栄えの半分はモデルさんの力。ただし、美しく見せるには仕掛けがある」と関心を誘う話で詰めかけた80人の来場者を楽しませた。
日展審査会員、白日会会員。10年前、多大な協力を寄せ、同館が開設されるきっかけとなった東京・銀座の画廊宮坂の働き掛けで木原作品が展示されている。開館以来、置戸にも木原ファンが多い。
同館を運営する法人理事長の「細川さんに熱心に誘いの手紙をもらって11年ぶりに置戸に来た」と木原さん。「人物に目が行くと思うが、ポージングはモデルさんがしてくれる。自分はモデルさんに合った肌色の質感だったり、服や背景に気合を入れる。人物の周りの空気感を描きたいと思っている」として、人物画を描く上で「頑張り過ぎず、パレットに残っていた色で描くなど少し脱力感があるくらいが結果はいい」と会場にいる絵画愛好者らに語り掛けた。
一方で「毎回、冒険しないと自分がもたない。構図などを決める作業がつらい。描き始めるまでが8割」と常に進化を求める第一線画家ならではの真の気持ちも打ち明けた。木原和敏特別展は8月14日まで。無休。(寒)