釧路管内標茶町の写真愛好家・小泉恒男さん(76)=写真=の写真展「光彩 北の漁場(りょうば)」が北網圏北見文化センターで開かれている。「同じ海でも毎回違った色を見せてくれる」と、足しげく通った道東の海と生業(なりわい)としての漁船の組み合わせをファインダー越しに見た多彩な色で表現している。
酪農業を営み、農協組合長を退任した約20年前から本格的に写真を始めた。丘のある美しい標茶の農村風景をはじめ、北米旅行で撮影したアラスカの氷河やオーロラなど雄大な写真を撮ってきた。
自宅から車で1時間ほどかけて野付半島や尾岱沼付近の浜辺に出掛け、ダルマ太陽と呼ばれる独特の現象を狙ううちに漁船の存在に注目。海のない標茶育ちの小泉さんにとって見たことのない光と色の中で、昆布漁やホッキ漁に精を出す漁船のシルエットが美しく、思わずシャッターを切ったそう。
「朝焼けの海岸に出掛けることが多い」と小泉さん。白波をたてて漁場へと急ぐ漁船やモノトーンから薄ピンク、紅色と「朝のわずかな瞬間でしか見られない風景を切り取った」そう。「空気を写した感じ」という蜃気楼に浮かぶ船団の写真も来場者の目を引きつける。
全倍サイズの74点を展示。2〜10日(5日は休館)午前9時半〜午後4時半(最終日は午後3時)。無料。(寒)