水彩・油彩の風景画で知られ、道展などで活躍したオホーツク美術協会会員の角茂子さんが昨年、病気で亡くなった。78歳だった。過ごしてきた訓子府町の景色をこよなく愛し、地域のさりげない自然をスケッチ画に収めてきた。未完の「訓子府百景」シリーズなど遺作の中から23点を家族が選び「角茂子回顧展」を町内で開催している。
A4サイズの紙に水彩で描いた「訓子府百景」シリーズは、雪解けの春から新緑が盛んな初夏、収穫を終えた晩秋へと町内のあちこちを対象に選んでいる。「開盛3月」は訓子府でも陸別町に近い山あいの農村部を題材に、やさしい桃色の空に染まる様子を表現した。
F50号の油彩画は、どこまでも続くレールを真正面からダイナミックに描いた力作。町内の雪景色を添えた2022年の年賀状は、角さんの最後の作品として会場の一角に飾られている。
回顧展は、長女で絵画教室の指導を務めるイラストレーターの角路子さんが「多くの方に見てもらえたら母も喜ぶはず」と企画した。会場は訓子府町福野のぎゃらりーHaNa。道道置戸福野北見線を北見市豊地方面から行くと、モイワスポーツワールドとの交差点をさらに直進し約1・6㌔進んだ右手。喫茶OiCafeに隣接し、道道沿いのCAFEのぼり旗が目印。
週末に開催し、当初6月9日〜11日が最終予定だったが、都合により10日(土)〜12日(月)が最終開催となる。午前10時〜午後5時。観覧無料。(寒)