近年増加傾向にあるエゾシカやヒグマの有害鳥獣駆除について、置戸町の12月定例町議会一般質問で嘉藤均議員は「農・林業被害防止や人的危険の予防を目的に行われているが、今年は一段と駆除頭数が増加している。駆除するだけではなく町内で加工・販売し、特産化する考えはないか」と町にただした。
同議員によると、町議会総務常任委員会で今年度、十勝管内豊頃町で食肉の一貫生産管理体制を運営する会社を訪問。ジビエの狩猟、家畜家禽の生産から流通・加工・飲食までを視察した。「余すことなく命をいただいていた」と感心したそう。
深川正美町長は「農業被害が令和元年は1400万円だったのが令和4年は5400万円とおよそ3倍に。シカの駆除頭数は令和元年が360頭だったのが、今年は723頭とほぼ倍増。処理のための搬入費にも530万円掛かっている」と深刻な状況を報告した。
その上で、加工施設は管内では遠軽町や西興部村、北見市などにあって「採算ベースは800頭とも言われており、実現に向けては慎重に検討すべきと考える」と答えた。
同議員らのこれまでの働き掛けもあり、町内では狩猟免許の取得育成に取り組んでおり、若手ハンターが増えてきている。
同議員は「特産品になれば、ふるさと納税の返礼品にもなる」と提案。同町長は「採算性が取れれば町としても積極的に考えていくし、民間で取り組んでもらって町が支援するかたちもある」などと答えた。(寒)