年間委託予算は約1400万円
■年間ペース
網走市の公園と市道の草刈りは、指名競争入札を経て決定した業者が担う。
市によると、公園の草刈りは予定地を含めた105箇所を年1~4回実施する。前年度までは年1~3回ペースだったが、市民の声などを踏まえて実施回数を増やした。
公園の草刈りを担う業者は1社のみ。この業者は、現行の入札参加資格内容となった2015(平成27)年度から毎年、公園の草刈り業務を受託している。今年当初予算に計上された委託料(草刈り費用)は約1400万円となっている。
公園の草刈りは、刈り取り後の処理も大変なようだ。昨夏、本紙には「公園にある刈り取り後の雑草が腐って異臭がする」との声が寄せられた。
市道(歩道)の年間草刈り回数について、市の担当者は「以前より若干回数が減っている箇所があるが、草の生長の状況と道路状況に応じて対応している」と話す。
ちなみに、北見市の市道(中央分離帯など)の草刈り回数は年2回(6月か7月に1回、9月か10月に1回)を基本としている。
住民パワー活用にはハードル高く
愛媛県は県道の一部管理を住民などに
■住民パワー
愛媛県は〝雑草問題〟に対応するため、県が管理する道路の一部の草刈りを住民団体や地元企業に委託している。
県と地域住民の協働により、「財政難」や「人手不足」などの課題に挑む試みは、地域コミュニティの維持・発展にもつながりそうだ。
一方、網走市においてはまだ、雑草問題の解決に住民パワーを活用する動きはない。理由の一つに、現行のシステムでは住民グループなどが公園や市道の草刈り業務を受託するにはハードルが高いからだ。
市の公園草刈り業務を受託するためには、入札に参加するため指名登録する必要があるほか、「遊具日常点検講習会」の受講が義務付けられている。
本紙が取材した範囲だが、公共の公園の草刈り業務を担う上で「遊具日常点検講習会」の受講を義務付けている自治体はなかった。
人口が減り続けている網走市。〝人口減少問題〟はこれから顕著になる。水谷市長の舵取りに期待が寄せられている。