北見市の財政健全化アクションプランでは市民生活に係る市の経費の見直しのほか、民間が担っている事業を直接・間接的に削減する計画が盛り込まれている。予定している売上が突如消える計画案は、対象となる企業・事業所にとっては大打撃。収入に直接響くだけに戸惑いを隠せない。中高年齢者の雇用の機会を創出・確保する、北見市シルバー人材センターも、かつて花形と言われた草刈り作業の廃止案などが浮上し、頭を悩ませている。
全国的に65歳以上の就業者数が年々増加傾向にあるなか、同センターの会員数はコロナ禍で一時減少したものの昨年12月末においては前期比17人増加の690人。最低賃金改定で、会員達の就業意欲が高まるものと期待していた矢先の同プラン発表に困惑している。
シルバー人材の取り組みは「働くよろこび、社会参加の輪を拡げよう」の合い言葉のもと「仕事を通して生きがいを感じること」「活力ある地域社会づくりに寄与すること」といった、公益社団法人の趣旨に沿った運営を担ってきている。
辻直孝市長は同センターの広報誌に寄せた年頭あいさつで「引き続き、中高年齢者の就労機会の拡大や生きがいと活力あるまちづくりの推進にお力添えを」として、地域が持続的に発展していくには、中高年齢者の経験や能力が欠かせないとしている。
同プランでは、市営住宅敷地内で年1回実施している草刈りを廃止する案が出ている。
同センターは「庭木のせん定や草刈り作業は、従来より人気の求人で花形の仕事とされてきた」とし、仕事の種類が減ることで会員の多様な〝就活〟が厳しくなるものと心配。会員数や業績によりセンターへの国の評価と補助が引き下げられることも懸念材料だ。
同センターの中寛良事務局長は「創立から約40年にわたり会員達が誠実に励むことで、受注先事業主さんとの間に信頼関係を築いてきた」として「会員達は住民に喜ばれる仕事をやりがいと感じ励みにしてきた。単に働いて稼ぐだけではなく、収入にプラスして健康づくりや福祉、社会貢献の面からも行政には中高年齢者の働く場・機会の確保をお願いしたい」としている。
同センターは新年度に向け、新規入会者への特典などを盛り込んだ新規入会説明会を3月5、6日にサンライフ北見(北見市東三輪)で開催する予定。 (寒)