体が部分的に白いエゾリスの写真を北見市美山町の伊藤宏さん(80)が撮影し、本紙に寄せた。専門家によると、体の一部が変色する「部分白化」とみられる個体で、珍しいという。
撮影したのは5月下旬で隣家の庭で見つけた。鼻筋や胴体、尾が白く、「最初はウサギだと思った」。間もなくして親リスが慌てた様子で部分的に白いリスを隣家の換気口に連れ帰ったところを目撃し、「子どものリスだと分かりました」と振り返る。
隣人に許可をもらい、観察を続けると、子リスは5匹でそのうち1匹が部分白化個体だった。巣立ちの時期と重なっていたためか、リス一家はほどなくして換気口を出て、姿を見せなくなったという。伊藤さんは「リスは珍しくないが、親リスが子リスを連れていくところも白いリスも初めて見た。住宅街でも自然や野生動物に目を向けていると、おもしろい発見がある」と話していた。
毎年1月にエゾリスの痕跡調査を行っているNPO法人ところ川自然学校の羽根石晃彦理事長は「初めて部分的に白いリスを見ました」と話し、あまり多くはないが低い確率で見られるという。
また、換気口を巣として利用するケースについても珍しく「北見では見たことがない」。しかし、野生動物が人家に住み着くと感染症のリスクがあることから「かわいらしくても野生動物とのソーシャルディスタンスは必要です」と注意を促した。(理)