■解散の危機
網走市において、町内会の〝衰退〟の要因として人口減少がある。24(令和6)年4月末時点の人口は3万2376人で、20年前と比べ1万人ほどの減。過去10年の推移をみてみると、年間500人前後で人口が減っている。
市町連のアンケート調査などによると、町内会への加入率は減少傾向にある。また、過去3年で8つの町内会が解散した。
市町連の関係者によると、町内会への加入対象世帯は50戸ほどあるものの、実際に加入する世帯は5世帯ほどしかないために解散を余儀なくされたケースもある。市町連は「解散の判断をする前に相談してくれれば、何らかの支援をできたのかもしれない」と心境は複雑だ。
■もし、なくなったら…
地域単位で住民の健康増進を担う「網走市健康推進員」。各町内会からの推薦を受けた市民が推進員となり、現在84人が活動している。
同推進員協議会は来年度から、町内会の推薦枠のほか公募枠を設けることを決めた。町内会からの推薦が減少する兆しにあることから、〝先手〟を打つ形で委員確保に力を入れる。
町内会の存在は、民生児童委員の活動にも影響する。
網走市の民生児童委員の定員は106人。現在94人おり定員割れ幅は大きくないが、関係者は危機感を抱く。
網走市の場合、民生児童委員のなり手を探す際、町内会に推薦を依頼することが通例となっている。「町内会からの推薦はルール化されているわけではないが、まずは地域の実情に詳しい町内会の役員さんに打診することが多々あります」(ベテラン民生委員)。
町内会が存在しない地域ではゴミステーションの設置場所についても苦労するケースがある。設置場所について地域住人の総意をまとめるのが難しいためで、設置までに長い時間を要した事例も少なくない。
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町内会の減少・衰退は、網走の大きな問題だ。大きな問題の解決に向け、水谷洋一市長の舵取りに期待がかかる。