産廃見つかり…早期解決の見通し立たず
■白紙に
関係者によると、今月4日に開かれた、1市5町による「斜網地区廃棄物処理広域化推進協議会」(会長、水谷洋一網走市長)の会合で、大空町の松川一正町長は、産廃問題などの早期解決の見通しが立たないことから、東藻琴地区の建設予定地が「適地でないと判断した」と説明。協議会は松川町長の意向を踏まえ、広域ごみの中間処理施設の建設地の選定をやり直すことを決めた。
東藻琴住民による反対運動の最中
「完全な白紙」異例の事態に
新たな建設地について、関係者は「今はまったくの白紙状態」とする。
東藻琴地区の建設予定地(約1万3千平方㍍)は、現在稼働している同町の焼却施設近くにある。
建設に向けた地質調査を今年7~10月に実施したところ、工事残土と思われる盛り土層が確認され、国の安全基準を満たしていないことが判明。また、土中からはコンクリート片などの産廃が見つかり、道は先日、大空町に撤去を検討するよう指導した。
■異例の事態
1市5町の広域協議会の当初の計画では、東藻琴地区に建設予定の焼却施設は2026年度に着工し、29年9月以降に供用開始する予定だった。しかし、建設地の選定が白紙となったことで、広域ごみの中間処理施設の建設がズレ込むことは必至だ。
また、産廃問題が公表される1カ月ほど前からは、東藻琴地区の住民グループが建設の合意形成はできていないとし、建設地の再検討を求める運動を活発化させていた。
懇話会での危惧が現実に?
前代未聞の事態に陥った状況について、かつて、水谷網走市長の私的諮問機関「市廃棄物減量化等推進懇話会」(令和4年5月に設置)の委員を務め、広域ごみ処理についても議論した市民は「懇話会の中で危惧していたことが起きているような気がする」と話していた。
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次回は、〝異例の事態〟から浮上した教訓などについて紹介する。