■5200万円
市は2024(令和6)年度予算に、日体大支援校と東農大網走の入学生確保に関する補助金(計5200万円)を盛り込んでいる。
日体大支援校には、「生徒確保対策支援補助金」4300万円と「入学支援補助金」600万円の計4900万円を投じる。東農大網走は「学生対策支援補助金」200万円と「学生確保対策事業補助金」100万円を盛り込んでいる。
日体大支援校と東農大網走へは毎年、入学生確保に関する補助金が配分されている。
一方、地元高校(桂陽高と南ケ丘高)の入学生確保に直接関係する補助金はない。
この点に着目した桂陽高3年生は「同校は10年間で入学者が半減している」とした上で、市と市議会に対して「通学費」「(簿記や情報処理などの)資格取得費」「部活動」の補助を求めた。
遠軽町はすでに、遠軽高校への通学費助成制度を導入している。
■突出
日体大支援校への市からの補助金は多額で突出している(開校からの11年間で総額8億2千万円)。水谷市長の〝強い思い入れ〟を反映しており、市議会でも毎年、議論の的になっている。
桂陽高校の入学者は減少している。先日、道教委が発表した25年度高校入試出願倍率によると、桂陽高の普通科0・7倍、商業科0・8倍、事務情報科0・4倍。この状況が続けば、桂陽高の存続は危うい。
市議との発表学習で訴えた桂陽高3年生の思いは切実だ。
「子どもの生まれないまちに未来はありません。若者が先輩たちの取り組みに恩を感じ、感謝して次の若者へと恩を送っていく。網走が100年先の未来に子どもの笑い声を残すために、過去に感謝して未来に誇れる網走を一緒に作りたいと私たちは願っています」
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網走という小さなまちで、市長や市政を批判するのは勇気がいる。中堅の網走市議は「議会人として桂陽生の意見を重く受け止め、議会において水谷市長との議論に挑みたい」と話していた。