地元で愛される〝ローカル焼肉〟を通じ、その土地ならではの食文化や歴史に触れながら旅をする「焼肉ガストロノミーツーリズム」の可能性を探るシンポジウムが7日、北見市内の北見芸術文化ホールで開かれた。観光庁元長官の和田浩一さんの基調講演や関係者によるパネルディスカッションが行われた。
人口1万人あたりの焼肉店舗数が全国有数の北見市と長野県飯田市が昨年4月に設立した「日本縦断焼肉連携協議会」の主催。ローカル焼肉を通じ、国内外からの誘客および滞在の促進を目的に、厳寒の焼肉まつりに合わせて開催した。
基調講演で和田さんは、北見への誘客の方法の一例として「地域の総力戦でお客さんを呼び込む」ことを提案。北見からひがし北海道へとエリアを広げ、地域独自の観光価値「コアバリュー」を明確にする。その上で、焼肉文化に触れるガストロノミーなど、コアバリューを実感できるコンテンツをいくつか用意することで観光消費が拡大、地域の持続可能性が高まると話した。
最後に「焼肉だけで観光客を呼び込み、地域を活性化させるのはハードルが高い。ひがし北海道が誇るさまざまなコンテンツを活用して観光客を呼び込んで」と呼び掛けた。
パネルディスカッションでは、和田さんや飯田市産業親善大使「焼肉大使」で、ものまね芸人のニッチローさんら6人が登壇。両市の焼肉文化に詳しい石井至さんをファシリテーターに、ローカル焼肉がツーリズムの切り札となるか、意見を出し合った。 (理)