ヒグマとの危険遭遇事案㊤

2025-04-22 掲載

(北見市/社会)

2024年度の1例目

道が公表
未然の対策怠らず

 道が公表する2024年度のヒグマとの危険遭遇事案発生状況1例目を紹介。

【発生日時】2024年4月25日午前10時30分頃

【発生場所】名寄市智恵文智東三線林道(比翼の滝に向かう林道)

【付近の状況】

・車両1台が通れる程度の幅の砂利道で、両側が草藪

・林道の片方が上り斜面、他方は川に続く下り斜面

・滝の音が大きく、周囲の音は聞こえづらい

【遭遇者情報】

・愛知県在住の50歳、男性

【ケガ等の被害】なし

【鳴り物等の携帯】熊鈴やラジオ、熊スプレーなどは携帯していなかった

【発生状況、遭遇者の行動】

・比翼の滝を目的地としてレンタカーで移動中、道を確認するため、林道の真ん中に車を停めて下車

・数秒後、草藪からヒグマ2頭が現れ、大きな方のヒグマが遭遇者にゆっくりと接近してきたため、逃げてくれることを期待し、声を出しながら頭部左側を蹴った

・ヒグマが逃走したため、予定どおり比翼の滝を見学し、その後、警察に通報した

【出没個体の特徴、行動形態】

・小さな方のヒグマは草藪から出たところに留まり、遭遇者を見ていた

・大きな方のヒグマはうなり声をあげながら、遭遇者の背後に回り込むように接近した

【痕跡】周辺における目撃及び痕跡情報なし

【逃避行動】

・大きな方のヒグマは、遭遇者の蹴りを受け、上り斜面に向かって走って逃げた

・小さな方のヒグマは、遭遇者が車に乗ると、上り斜面をまっすぐに駆け上がっていった

【住民への対応】当面の間、滝に至る林道への立ち入りを禁止

【考察】

<発生要因>

・2頭のヒグマは親子または兄弟であった可能性があり、親子の場合は子を守るため、兄弟の場合は興味本位の接近であったと考えられるほか、車両の接近あるいは人の出現に驚いて、自己防衛のために接近してきた可能性も考えられる

<対策>

・ヒグマの生息域に入る際は、周囲をよく観察してヒグマの存在を察知することや、クラクションを鳴らすなどして人の存在をヒグマに知らせるなど、ヒグマと遭遇しないための対策をとることが重要

・本事例においては、ヒグマは頭部を蹴られただけで逃走したが、反撃を受けて事故につながる危険性もあったため、より追い払い効果が強いと考えられる熊スプレーを携帯し、使用できるよう備えることが望ましい

【その他】

・一度追い払った後に再び近づいてくる危険性もあることから、ヒグマとの危険な遭遇があった際は、すぐに引き返し、速やかに警察等へ通報することが望ましい∧北海道環境生活部ヒグマ対策室∨

キーワード

  • ヒグマ

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