
高知県の農業高校生9人(男子2人、女子7人)が17日から23日まで北見市を訪れ、北海道の大規模農業体験学習に取り組んだ。19日から21日の3日間は、北見自治区内の農家(畑作4戸、酪農1戸)で実習体験を行った。
この取り組みは1998(平成10)年に始まり、コロナ禍を除いて毎年続けられている。生徒たちの農業に対する意識を高め、視野を広めるとともに、高知県と北見市との交流を深めることを目的としている。
受入れ先の同市広郷の玉ねぎ農家、穴田惣一さんのもとで実習に臨んだのは、高知県立春野高校園芸コースの森田ひかるさん(高3)と弘田梓夏(しいな)さん(高3)。玉ねぎの葉切りや草取り、自動操舵トラクターの乗車体験などを行った。
高さ2㍍ほどの葉切り用機械に取り付けられた梯子を上るとベルトコンベアがあり、機械で切り取れなかった葉付きの玉ねぎが流れてくる。それを一つ一つハサミで切り落としていく。森田さんと弘田さんは「葉切りは大変でしたが、楽しかったです」と笑顔を見せた。
広大な畑で体験した自動操舵トラクター乗車。教科書で学んだ時には「実際に使っている農家があるのか?」と疑問に思っていたという。高知県の農家はハウス栽培がほとんどで、北海道のような広大な畑はないからだ。「本物を見て凄く感動しました」と、2人は目を輝かせた。
森田さんは農業の普及指導員を目指している。「収穫で忙しい時期にもかかわらず、疑問や質問にとても丁寧に答えていただき、穴田さんの温かさが心にしみました。私もそんな指導員に絶対になりたい!と思いました」。
弘田さんは農業教員を目指している。「高知県と北海道では農業の規模が全然違い、使ってる機械も知らないものばかりでした。もっと知識を深め、高知県の農業用クラウドシステム『SAWACHI』に活かせればと思いました」。
今回初めて実習生を受け入れた穴田さんは「真剣に一生懸命取り組む2人の姿を見て、受け入れて本当に良かったと思いました。ちょうど繁忙期だったので、労働力としても頑張ってくれたのでとても助かりました」と笑顔で語った。
この日は実習最終日で、別れを惜しむようにそれぞれのスマホで記念撮影をしていた。
生徒たちは実習体験のほか、農業施設視察研修、北見ハッカ記念館見学、市長表敬訪問などを行った。 (知)