「オレンジカフェ大丸」に参加してみました

2025-09-04 掲載

(北見市/社会)

体験記者 走る

 「オレンジカフェ」は、認知症の人やその家族、地域住民、専門職などすべての人が気軽に集える交流の場。話には聞いていたが実際どんな場所なのか。80代の父親と暮らす記者がはじめてオレンジカフェに参加してみた。

話せるだけでほっと
引きこもらずに居心地の良いオレンジカフェを探してみては

 == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==

 訪れたのは、北見市高齢者相談センター南部と同中央が合同で7月にはじめて開催した企業参加型のオレンジカフェ「オレンジカフェ大丸」。体操やゲームなどをするオレンジカフェもあるが、ここは「おいしいものを食べて悩みや愚痴を吐き出してまた頑張ろうと思える場所に」と、あえて〝何もしない〟をコンセプトに立ち上げたという。

 入り口前には「オレンジカフェ」ののぼりが。涼しい室内に入るとすでに数人が椅子に腰かけ、自由に会話を楽しんでいた。

 この日は、地域住民ら20人が参加。申し込み不要、出入り自由なため、1時間半という時間の中でそれぞれ都合の良い時に訪れ、涼しい室内で麦茶などを飲みながら参加者や職員と会話するなど思い思いに過ごした。途中で参加者の一人がハーモニカを演奏したことで、さらに会場は和やかな雰囲気に包まれた。

 記者の隣りには、認知症の夫と暮らす80歳の女性。お茶を飲みながら互いに夫や父との向き合い方、日々の出来事などを話して意気投合。女性は「オレンジカフェに参加したのは今回がはじめて。介護のことなどが話せて、心が軽くなった気がします。思い切って来てみて良かった」と笑顔をみせた。また、認知症と診断された95歳の母親とともに訪れたご夫婦は「母はいつも部屋に引きこもりがち。連れ出すのには苦労しましたが、ほかの方と話したり、ハーモニカに合わせて曲を口ずさんだりと楽しんでいるようでいい刺激になったと思います」と話した。

 同センター南部の担当者は「初回に20人の参加は多い。何かをするわけではないけれど、安心して話せる場所は必要なんだと改めて感じました。介護者の気持ちの拠り所として、今後も継続していけたら」。はじめてオレンジカフェを訪れた記者にとっても、「話すだけの場所」は居心地がよく、より参加しやすいように感じた。

 オレンジカフェは参加費100円ほどで各地域で開かれ、内容もさまざま。「認知症だから」と家に閉じこもらず、家族も含めて自分にあった〝居心地の良い場所〟を探し、気軽に利用してみてはどうだろうか。

 なお、「オレンジカフェ大丸」は来年3月まで月1回開催予定。各オレンジカフェの問い合わせは、各地域の高齢者支援センター(地域包括支援センター)へ。

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