あちこちでイチイの赤い実が目にとまるようになった。「オンコの実」の名で親しまれ、この季節は小鳥達がよく集まってくる。北見市内の北見ハッカ記念館の前庭で、スズメが実をついばむ姿を撮影することができた。
イチイの木にはスズメだけでなく、シジュウカラやヤマガラ、ヒヨドリなどの野鳥のほか、エゾリスまでもが訪れ、実を食べる光景は秋を感じさせる。
このスズメは器用に種を出した後、果肉だけを飲み込んでいった。子どものころ、親から「種は食べちゃだめ」と言われた記憶がよみがえる。オンコの種には毒が含まれているからだ。その一方、ヤマガラは果肉よりも種を好んで食べ、口ばしの太いシメは種ごとかみ砕いて食べてしまうから興味深い。
庭木としても馴染み深いイチイ。この時期は鳥ごとに異なる食生活の一端をのぞくことができる身近な観察スポットだ。 (理)