ペットボトルキャップ収集中止へ
ペットボトルキャップ収集中止へ
美幌のNPO法人元気プロジェクト
ペットボトルキャップ(エコキャップ)を換金し、ワクチン代として寄付しているNPO法人元気プロジェクト(美幌町、宮田博行理事長)が、6月をめどに活動を中止する。リサイクル業者のキャップ買い取り価格が3分の1に下がるため。キャップ収集などは身近なボランティア活動として地域に根付いてきたが、当初から大きな負担になっていたキャップの運送費の問題もあり、大きな転換期を迎えることになる。
途上国にワクチンを…と広く活動
買い取り価格大幅減で「中止せざるを得ない」
周知兼ね6月をめどに「これまでの協力に感謝」
昨年、リサイクル業者から買い取り価格が下がる旨の通達を受けた。役員が協議し、12月末に「中止せざるを得ない」という結論に至った。
キャップなどの廃プラスチックは国内外で輸出・輸入規制を強める傾向にある。このことがキャップの買い取り価格にも影響しているとみられる。
元気プロは、発展途上国の子ども達を救い、地域住民らに環境への意識を高めてもらおうと、キャップの提供を広く呼びかけてきた。現在は町内外の個人、学校や企業などさまざまな団体から集めたキャップが寄せられ、分別にも高校生やボランティアが参加するなど大勢がかかわる活動になっている。
2010(平成22)年以降、主に道央圏のリサイクル業者に売却。益金をNPO法人世界の子どもにワクチンを日本委員会(東京)に寄付してきた。これまでの収集量は約63㌧で、キャップ数に換算すると2500万個以上、ワクチンだと3万1千人分以上に相当する。
ただ、活動には当初から運送費が重くのしかかっていた。1回の発送(約3㌧)にかかる費用は数万円。売却益以上にかかる。元気プロは、運送費が寄付金を圧迫することがないよう、賛助会員からの寄付金や、会員の会費を活用するなど苦慮を重ねて賄ってきたのが実情だ。
元気プロによると、同様にキャップを収集する団体は道内にもあるが、減少傾向。事業を継続すれば、各団体のキャップが元気プロに集約され、さらに負担が増える懸念もあるという。
宮田理事長は「何とかやりくりしてきたが、今回の価格だと続けるほど赤字がかさみ、残念だが難しい。これまで収集に協力してくれた方々には感謝の気持ちでいっぱい」と話している。
キャップは継続して収集している個人や団体が多いことから、中止の周知を兼ねて6月頃まで受け付ける。詳しくは元気プロジェクト(0152・75・2040)へ。 (浩)