人が暮らす〝今〟と〝未来〟を探そう!!

北見市・網走市・美幌町・大空町・津別町・置戸町・訓子府町の2市5町に約85,000部を所定エリア全域配布

「調理員不足」の危機的問題とは

2021-09-09 掲載

(網走市/社会)

網走市教委が集約化先送り 学校給食が抱える“リスク”㊤

 網走市教委は、一部小中学校の学校給食調理場の集約化に向けた関連予算について、今年度は同市議会に提案しないことを決めた。同市教委は集約化を進め「慢性化している調理員不足に対応したい」考えだった。今年度の提案を見送ったことで、市議の1人は市議会で「小規模学校の危機的問題が放置されてしまうのだなと思うと心が痛む思い」と嘆いた。“危機的問題”とは何なのだろうか-。(大)

調理員の同日休みなど…資料・記録はなく

■41人体制

 同市教委は、郊外にある小規模校の白鳥台小と東小、呼人小中学校の調理場を、住宅街にある南小学校と潮見小学校に集約する計画だ。当初は、「集約化」+「調理の民間委託」をセットで進める方針だったが、今年3月の網走市議会で関連予算を一般会計予算案から減額修正され“待った”がかけられた。

 同市教委が集約化を進めたい最大の目的は「慢性化する調理員不足問題の解消」だ。

 同市教委によると、現行スタイルでの学校給食調理員は「41人」必要だ。現在は2人欠員の39人体制で調理作業が進められている。

 同市教委は市議会などで「慢性的な調理員不足」との言葉をよく使う。“慢性的”とする根拠について調べた。

 同市教委委は、2010(平成22)年からのデータを基に、各年度の1年間に辞めた調理員の人数を教えてくれた。16年は8人、17年10人、18年6人-などとなっている。ただ、この人数は“1年間で辞めた総人数”だ。例えば、16年のケースだと「短期間に8人が一斉に辞めたわけではない」。

■白鳥台小の問題

 8月26日に開かれた、網走市議会・文教民生委員会。同市教委はここで、集約化の関連予算の今年度提案見送りを報告した。

 同委員会の終盤、委員でもある保守系市議から「小規模学校の危機的問題が放置されてしまう」発言があった。危機的問題の一部を調べてみた。

 調理場の集約化について、市議の一部は以前、白鳥台小学校で起きた問題を“賛成する理由”の一つとしていた。

 白鳥台小の問題とは、調理員全員(2人)が同じ日に休んでしまったケースだ。代替が難しい状況で、児童に給食を提供できない危機に陥った、というのだ。

 本紙取材では、この白鳥台小の“同時2人休み”という事実を確認できなかった。証言はあるが、事実を示す資料・記録がなく、同市教委も「そうした事実があったことを示す資料は残っていない」と答えてくれた。

■学校職員が食材調達

 調理場集約化に積極的に賛成する人の一部は「調理員不足は食材の調達にも影響を及ぼしている」とする。調理員が2人しかいない小規模校では、学校職員が食材の調達業務を担う日もあるという。

 小規模学校で、調理員以外の学校職員が食材を調達する事例は年間、どれくらいあるのか。取材すると、同市教委には関連する資料・記録は残っていなかった。関係者は「最近のケースで学校職員が食材調達を担ったのは、学校に届いた食材が間違えていたため。調理員2人はすでに調理準備に取り掛かり、手が離せなかったから」と教えてくれた。

 小規模学校の危機的問題はほかにもいくつかあるが、白鳥台小学校の「調理員2人の同日休み」と「学校職員による食材調達」が危機的問題だとする、客観的事実や証拠は乏しいようだ。

検索フォーム

キーワード

地域

表示順

 

カレンダー

キーワード

  • 調理員

関連記事