市は、ごみ最終処分場は計画期間(2032年までの15年間利用)を大幅に前倒して、数年後に満杯になることから、生ごみの排出ルールを変更する考えだった。排出方法を現行より細分化することで、生ごみたい肥化率を向上させ、最終処分場の延命につなげる狙いだった。
しかし、水谷洋一市長の諮問機関「同市廃棄物減量化等推進懇話会」(市民ら12人)や同議会・文教民生委員会では、「最終処分場の延命にはつながらない」と疑問視する声が相次いだ。
9日の同議会・文教民生委員会で、市の担当者は9月と10月のたい肥化率が77%まで向上していることから「今後も安定したたい肥化率を見込めるのか=中略=または、さらなるたい肥化率の向上を見込めるのか、といったところの状況も改めて確認したいと考え、(生ごみ排出ルールの)見直しについては見送る決断に至った」と説明した。
市の説明に対して、金兵智則議員は「(市の姿勢は)混乱を招きかねないやり方。市民を巻き込んでやらなくてはいけないことは、きちんと精査した上でやってほしい」と苦言を呈し、「ごみの問題に関しては市民にさまざまな感情がある。さらにこじらせないような形で進めてほしい」と指摘した。
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当初、市の示した新ルールは、①食物残さ②紙類、貝殻、割り箸類③草木枝—を分けて排出してもらう。使用する指定ごみ袋は、①は「黄色い袋」②は「赤い袋」③は「黄色い袋」—としていた。
①の食物残さはたい肥化センターで処理されるが、②③の紙類や割り箸などは当面は最終処分場に搬入されることになっており、最終処分場の延命効果は不透明な部分が多かった。 (大)