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2019/03/22掲載(北見市/本紙連載)

北見工大農林水産工学連携研究センター
(6)肥料の適正量分析法

畑にまく肥料が少ないと生育がよくない。多過ぎると生育がよくないのに加えて河川環境に負荷をかける。では、畑の状態を把握し、適正な肥料の量をどのように畑に施していくのか…。北見工業大学のオホーツク農林水産工学連携研究推進センターの宇都正幸准教授は、環境保全、農作業の省力・精密化を進めながら高品質の作物をつくる方法を研究している。

方法とともに測定箇所数も調査
宇都正幸准教授
手間と時間のかかる土壌分析を簡単に
農作業の省力・精密化、さらに環境保全にも

10メートル四方で細分化した畑の肥料濃度の様子。ばらつきがある

10メートル四方で細分化した畑の肥料濃度の様子。ばらつきがある

作物には肥料の適正量がある。しかし、畑全体に適正な量が行き渡っているか、といえばそうではない。同じ畑でも場所によってばらつきがある。

 「畑を細分化して土壌分析をすれば、均一に適正量を与えることは可能です。しかし、土のサンプル採取、測定という手間が大幅に増えてしまいます」と宇都准教授。

 簡単に土壌分析ができるセンサーがあれば、手間を減らすことは可能だが、どの程度畑を細分化するかによっても、手間の違いは大きく変化する。

 宇都准教授は、簡単に分析できる方法を研究すると同時に、適正量を保つための「測定箇所数」を調査している。

 小麦はGPSと衛星写真で作物の生育状況を観察し、肥料を追加するノウハウができている。ところが、「玉ねぎやじゃがいもは追肥ではなく基肥で生育が決まります」と言う。

 この研究は、土壌分析の手間を減らしたいという農協の組合長会、北海道農協中央会から「畑にさせばすぐ分かるセンサーはないか」と北見工大に相談があったのがきっかけ。宇都准教授は2017年の11月に津別町の農家から1.5ヘクタールの畑を借りて研究を開始した。

 畑を10メートル四方で150に細分化して肥料の濃度を測定した。2017年11月と2018年の4月、10月の3回測定し分析した結果、肥料の3要素、N(チッ素)、P(リン)、K(カリ)の濃度に3~5倍の差があった。

 「150ものサンプルを測定、分析するのは農家にとって大変な手間になります。そこで、どの程度なら良いかを解析したところ、20メートル四方でよいということが分かりました。手間は4分の1になります。90メートル四方でよい畑もあるので、畑や作物の違いによって“カルテ”を作る必要があるのかな、と考えています」

 良い作物は、肥料だけでなく地形、地質、生産技術など様々な要素が積み重なってできる。宇都准教授は、土壌診断の省力化という技術的な研究と、技術を使う人間の考え方、妥協点といった捉えにくいテーマに挑戦している。

◆プロフィール

 宇都正幸准教授:鹿児島県出身、58歳。北海道大学理学部で学位を取得し、研究員を務めた後、1990年(平成2年)に北見工大の助手として赴任。専門は分析化学。

 

宇都正幸准教授

宇都正幸准教授