沈黙の網走市役所 ㊤
沈黙の網走市役所 ㊤
イベント講師コロナ感染に
参加者に知らせぬ理由は?
網走市で10月に開催された、スポーツ体験イベント。開催後、招かれた講師の3人(市外在住)が新型コロナウイルスに感染していたことが公表されたものの、主催者でもあった網走市役所はいまだにイベント参加者をはじめ市民にこの事実を報告していない。なぜ、報告しないのか?-。調べてみた。 (大)
「保健所の指示ない」繰り返す
網走で開催されたスポーツ体験イベント(読者提供)
■主催者
スポーツ体験イベントは10月17日に開催され、主催者は網走市役所と国内球技リーグが加盟するトップリーグ連携機構の双方。市内の小学生と保護者約130人が参加した。
同機構は同27日、講師の3人が新型コロナに感染し陽性反応が確認されたことを公式HPで公表。記者はこの事実を、新聞報道で知った。
一方の主催者である網走市役所からの情報発信は、11月10日の時点で何もない。市役所が新聞折り込みで市民に届けている、新型コロナに関するお知らせチラシの最新号(第27号=今月10日前後に配布)でも一切ふれていない。
■保健所の指示待ち
網走市役所がイベント参加者や市民に報告しない理由は何か?
同市役所に設置される新型コロナ対策本部、そして今回のイベントを担当した網走市教委社会教育部、関係者への取材内容を統合すると、「保健所からの指示がないから」となる。
本紙の取材に対して、市役所の担当職員が繰り返すのは「保健所から何も言われていない」である。
■名簿
参加者に報告がない問題については、トップリーグ連携機構へも取材した。事務局の返答は「参加者名簿は網走市役所が保管しており、同機構にはない。参加者へ報告したくてもできないのです」だった。
道庁の新型コロナ感染症対策本部の関係者へも電話取材し、今回の網走のようなケースにおいての参加者への報告の是非について聞いた。
関係者は「一般論」と前置きした上で「参加者へは報告する」とし、「そのためにも主催者は参加者名簿を作成しているはずです」との考えを示した。
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網走市役所の対応(参加者へ報告しない)については、市議の数人も問題視している。「市民の生命と財産を守る」という重要な役目を担う市議として、当然の感覚だろう。
次回は、網走保健所や問題視する市議の“考え方”などについて紹介する。