職員新型コロナ感染したら… (4)
職員新型コロナ感染したら… (4)
管内役所・役場の対応は?
今回の連載は、昨年12月の網走市議会で、コロナ関連の情報提供に対する市側の考え方や姿勢が問題視されたことがきっかけだ。この議会の一般質問では、市主催のイベント運営を担当した市職員が濃厚接触者としてPCR検査を受け、自宅待機を命じられていたことが明らかにされたのだ。この事実について市側は明確に否定せず、本紙のアンケート質問には無回答だった。
網走市の姿勢に疑問の声
主催イベントで講師感染も報告せず、議会で追及される
昨年12月の市議会で答弁する水谷市長
■講師が感染
昨年10月、網走市内で開催されたスポーツ体験イベントの講師3人(市外在住)がコロナ感染したことが公表された。イベントは、市と日本トップリーグ連携機構の主催で、講師の感染を公表したのは同機構だった。一方、網走市は参加した市民(児童と保護者約130人)に対して報告しなかったため、問題視した市議の小田部照氏は自身のフェイスブックで市側の不手際を指摘した。(※小田部氏の指摘を受け、同11月17日には報告書が発送された)
■報告なく
小田部氏をはじめ6人の市議による超党派グループは、同イベント運営に携わった複数の市職員が濃厚接触者と判定されPCR検査を受け(いずれも陰性)、自宅待機を命じられていた事実を突き止めた。また、同様のケースは昨年7月にもあり、スポーツ合宿に携わった複数の職員が濃厚接触者と判定されたという。
これらの事実を市は公表しておらず、小田部氏は昨年12月の市議会で追及したのだ。
スポーツ体験イベントに参加した保護者は「市役所に対する不信感しかない。市民の不安に対応してくれるのが市役所だと思っていました」と取材に応じてくれた。
一方、70代の男性市民は「濃厚接触者だったが陰性だったので公表する必要はないのでは」と話していた。
■それぞれの考え
今回の連載のために取材した、北見市と美幌町、大空町は、職員が濃厚接触者だった場合について、「住民に直接影響を及ぼした可能性がある場合」や「集団感染がある場合」などは公表することを視野に入れている。
網走市は、本紙アンケートの「職員が濃厚接触者・濃厚接触者の可能性が高いとされPCR検査を受けた-という事例はあるか」との問いには無回答だった。自治体によって温度差があることがわかった。