
佐呂間町出身で北見市在住の会社員、尾崎太朗さん(37)が北海道を舞台にした小説「私が月灯りに照らされるころ」(文芸社)を刊行した。「若い世代に本の楽しさが伝わるきっかけになればうれしい」と話している。
24歳の時、勤務先の書店の店長に本を読むことを薦められ、読書の楽しさに目覚めた。たくさんの物語に触れるうち「自分でも物語を書いてみたい」という気持ちが膨らんでいった。
書きたい思いを行動に移せぬまま数年が経過したころ、職場の同僚が尾崎さんが書いた日誌の文章を読み「面白い作品ができるんじゃない」と言ってくれた。その言葉に背中を押されるように本作を1カ月半ほどで仕上げたという。
ペンネームは長田太朗。物語は思わぬ事故をきっかけに、大人の女性がたった1日で高校3年生だったころの1年間を回想する形で展開する。北見や江別など尾崎さんゆかりの地も登場する。
「北見がメーン舞台なので、身近に感じてもらえるのでは」と尾崎さん。「これからも北海道を舞台にした作品を書き続けていきたいです」と話している。
A6判224㌻。定価770円。市内の書店などで販売している。 (理)