廃線となった旧駅舎を美術館として利用し寄贈絵画を展示する、全国的にも珍しい置戸町の「置戸ぽっぽ絵画館」が10周年を迎えた。運営する町民有志により、記念に企画された「洋画家・木原和敏特別展」のオープニングセレモニーと開館10周年記念祝賀会が10月30日、ずらりと並ぶ大作絵画の前で行われた。
無名画家の発表の機会を‐と2012年に設立。不安視された寄贈の確保は、関係者の尽力により成り立ち、毎年50点ほどを入れ替え、個展などの企画展を開催してきた。
NPO法人置戸ぽっぽ絵画館の細川昭夫理事長が開館までの歩みを紹介。大いに貢献した東京の画廊オーナー・宮坂裕次さんと寄贈絵画館のきっかけとなった画家・岩橋好男さんに感謝状を贈った。
10周年記念展に寄せて細川理事長は「置戸で木原さんの展覧会をできるわけがないと言われたが諦めなかった」といきさつを紹介した。
木原氏と交友のある書家・石橋隆文さんが「奇跡の美術館と東京で呼ばれている」と木原氏の挨拶文を代読し、妻で女優の山口晶代さんが小泉八雲「十六桜」、夏目漱石「柿」の一人語りを披露、町民によるOK☆ハーモニーの演奏が花を添えた。
午前9時〜午後5時開館、無休、無料。(寒)