網走市で増加傾向に 不登校への対応は?㊦

2023-05-26 掲載

(網走市/教育)

〝学びたい気持ち〟に応える環境を

 網走市内で増加傾向にある不登校児童・生徒。学校以外でも「学びたい気持ち」がある子ども達のために、教員免許を持つ男性市民が今春、市内にフリースクールを開校した。無料で利用でき、小学生から高校生までを受け入れる。「義務教育を受ける権利」がある子ども達のため、官民連携による支援環境の充実が求められている。(大)

市民が今春、フリースクール開校
週1回、無料で高校生まで受け入れ

LTGが運営するフリースクール会場と代表の佐藤さん == 株式会社伝書鳩|経済の伝書鳩|北見・網走・オホーツクのフリーペーパー ==
LTGが運営するフリースクール会場と代表の佐藤さん

■学べる場

 網走市教委によると、2022(令和4)年度の不登校児童・生徒は78人(小学生20人、中学生58人)。過去10年間で最も多かったのは21年度の84人(小学生20人、中学生64人)で、以前と比べ〝急増〟した。

 不登校児童・生徒の支援策の一つに、学校以外での「学べる場の確保」がある。不登校児童・生徒が増加傾向にある網走市において、フリースクールの開校は朗報だ。

 今年4月、南4条通りの商店街に軒を並べるビルの一室にフリースクールが開校した。市内で英会話教室を手がけるLTGが運営し、当面は毎週火曜日の午前9時から午後3時まで、子ども達を受け入れる。無料で利用できる(保険料として年間500円が必要)。

佐藤代表「気軽に立ち寄れる場所があれば」
市教委に求められる出席認定の判断

■出席扱い?

 LTG代表の佐藤優太さん(26)は教員資格を持ち、フィリピン・セブ島で約1年半、現地の子ども達に英語を教えた経験を持つ。現在は網走市と北見市の高校での英語授業を担当している。「学校に行けない子が、まちの図書館に行くような感覚で気軽に立ち寄れる場所があれば」と話す。

 今後、フリースクールを利用する市内小中学生は増えることが予想される。こうした見通しを踏まえ、網走市教委の喫緊の課題は、「フリースクールに通う子ども達を出席認定するかどうか」ということだ。

 学校の出席日数が不足すると、内申点に影響し、将来の選択肢が狭まってしまう可能性も出てくる。仮に網走市教委が、市内フリースクールを「出席扱いとする施設」と認めれば、あとは学校長の判断で出席扱いにすることが可能になりそうだ。

 市内ではすでにフリースクールが開校している。網走市教委には、出席認定の有無についての判断が求められている。

 ……………………

 LTG運営のフリースクールについての問い合わせは、代表の佐藤さん(080-4041-9996)へ。

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