■疑問視
同市教委は3月31日に開いた記者会見で、3件のいじめ問題を重大事態と認定したことなどを公表。しかし、加害者とされる生徒の人数を誤って説明するなど、同市教委の対応を疑問視する声は少なくない。
市議会答弁では「2時間半」…会議録と食い違い
5人の委員が意見交わした記録もなく…
重大事態と認定したのは、同市教委の附属機関「市いじめ問題専門委員会」(丹羽光一委員長=大学教授=、委員4人)とされる。6月の同市議会定例会・一般質問で小田部照議員が、認定に至った経緯を尋ねたところ、会議は3月21日の1回だけ開催され、その会議に費やした時間は「2時間半程度」(同市教委)とされた。
■本当はどっち?
本紙が開示請求した、3月21日に開催された同市いじめ問題専門委員会の会議録には、開催時間は「午後3時〜午後3時11分」と記されている。わずか11分間で重大事態と認定された可能性が高い。
一方で、同市教委は6月の市議会定例会で「2時間半」と答弁しており、本紙が開示請求して入手した会議録で明らかになった「11分間」とは大きく食い違う。
入手した会議録には、重大事態の認定可否について5人の委員が意見を交わした形跡はない。
会議録によると、同市教委はいじめの概略を説明したあとに重大事態として認定したい意向を示している。この説明のあと、丹羽委員長は各委員に「何かご質問、ご意見ありますでしょうか?」と諮り、各委員から「ありません」との返答を受け、この時点で重大事態と認定したようだ。
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「2時間半」との答弁は何だったのか。会議録の「11分間」が事実だとすれば、「2時間半」は虚偽答弁になる可能性もある。
次回は、今月13日の同議会定例会で行われた小田部氏の一般質問の内容を紹介する。
※開示請求した会議録はこちらからご覧になれます