■苦しい答弁
同市教委は6月の市議会定例会で、3件のいじめ問題を重大事態と認定したのは、3月21日に開催された同市教委の附属機関「市いじめ問題専門委員会」と答弁。この会議に費やした時間は「2時間半」と答弁していたが、本紙や小田部氏が開示請求した会議録によると、会議は「11分間」で終了していた。
13日の一般質問で小田部氏は「2時間半」と「11分間」の食い違いについて追及。同市教委は、3月21日の同専門委員会とは別に開かれた市いじめ問題調査委員会の会議で「2時間半程度、議論した」とし、〝食い違い〟については正面から答えなかった。
本紙の議事録によると、6月議会・一般質問で同市教委は重大事態と認定したのは「同専門委員会」とし、重大事態と認定した同専門委員会の会議に費やした時間は「2時間半」と答弁している。
13日の答弁で明らかになったのは、同市教委が「2時間半」としたのは、同専門委員会とは〝別の会議〟の時間を合算したということだ。
3月21日の専門委員会以外で「各委員に概要説明」
公文書は存在せず…教育長「議事録に残す必要ない」
■公文書
13日の一般質問で小田部氏は、3月21日の同いじめ問題専門委員会(11分間の開催)以外でも、同委員(5人)と重大事態の認定可否について「協議した場面はあるのか」と質問。同市教委は「事案の内容については事前に各委員に説明をした」としたものの、その説明した場面を記録した公文書は残っていないとした。
小田部氏は公文書管理法と照らし合わせた上で、岩永雅浩教育長に公文書に対する見解を尋ねた。
岩永教育長は「(各委員に事前に概要を説明した場面を)議事録に残すかどうかというところについては、この時点については、私は正式な議事録として残す必要はないと考えていた」と答えた。
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市内中学校で起きたいじめ問題を重大事態と認定したのは今年3月のケースが初めてだった。同市教委がいじめ事案を知り、重大事態に認定するまでに費やした時間は1カ月足らず。
重大事態に認定するまでの過程を詳細に記録した公文書は、今後のいじめ対策を含めた網走市の教育行政に役立つはずだ。