■9億円の増
新庁舎は、南4条通り商店街にあった旧金市舘ビル跡地周辺(南5東1)に建設されている。鉄筋コンクリート造・地上5階建て、延床面積は6444平方㍍。「市民に自然にやさしいスマート庁舎」を基本理念とし、防災・まちづくりの拠点施設を兼ねる庁舎になる。
2022(令和4)年3月、新庁舎の実施計画書が公表され、この時点での建設事業費(建築工事、外構工事、工事管理委託費含む)は52億5200万円だった。同年6月の一般会計補正予算で建設事業費は52億2800万円となった。
その後、資材の高騰や人件費の上昇を主因に、新庁舎の建設事業費はさらに増えることになる。
資材高騰、人件費上昇などで61億5100万円に
12月5日に開会した網走市議会定例会。市は、一般会計補正予算案に、新庁舎の建設事業費1億3千万円を盛り込んだ。さらに、継続費として24年度分に7億9300万円を追加することを説明。つまり、建設事業費は9億2300万円(1億3千万円+7億9300万円)増え、61億5100万円になるということだ。
財源は国の地方債、ふるさと寄付基金を活用
■財源
12月の定例市議会で一般会計補正予算案が提出された、新庁舎の建設事業費9億2300万円。市は、この〝新たな出費〟をどのようにして支払うのだろうか?
9億2300万円を支払うための財源としては、国からの地方債「公共施設等適正管理推進事業債」、そして市のふるさと寄付基金を活用する考え。
地方債は、地方公共団体が資金調達のために金銭を借り入れ、または債権を発行することによる債務。借り入れた金銭は次年度以降、償還(債務を返済)しなければならない。
ふるさと寄付基金については、市の条例で定められている目的の一つ「公共施設等の耐震化対策」のために集まった寄付金を活用する。
市によると「公共施設等の耐震化対策」のために集まった寄付金の総額は22年末時点で約3億1千万円。この寄付金の一部が、今回の新庁舎建設事業費の増額分に充てられる予定だ。
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新庁舎の建設事業費は増えている一方で、市議会の指摘によって〝節約〟されたケースもある。次回は、これまでに節約されたケースなどを紹介する。