■子どもがいなくなる?
網走市の出生数は減少の一途をたどる。
2023(令和5)年の出生数は145人で、前年より36人減った。過去5年間、出生数が「140人台」に入ったのは初めてだった。
昨年10月1日時点で、市内にある9小学校の1年生のクラス編成は、潮見小と南小の2クラスを除き、ほかはすべて1クラス編成となっている。
過去5年間の出生数の減少ペースを踏まえると、近い将来、市内すべての小学校は全学年が1クラス編成となる可能性がある。
子どもの減少ペースに歯止めをかけなければ、そう遠くはない未来に「網走から子どもがいなくなる」ということも現実味を帯びてくる状況だ。
2022年の児童数は1464人
12年で648人減
■毎年50人減る
市は毎年、各種データを記した統計書を作成。最新の22(令和4)年度版には、「小学校の状況」として、10(平成22)年度からの12年間の関連データが紹介されている。
統計書によると、22年度の児童数(小学生の人数)は1464人。10年の2112人と比べ、648人減った。
1クラスの児童数も12年で21人から13人に大幅減
過去12年間のデータを見ると、児童数は減り続けており、13(平成25)年度から2千人台を割込み、22年度には初めて1400人台に入った。
単純計算だが、市内児童数は「毎年50人」の減少ペースだ。
「50人減少ペース」が続いた場合、10年後の年間出生数は1千人を割込むことになる。
市の統計書には、1学級当たりの児童数も記されている。10年度は「21人」だったが、22年度は「13人」と大幅に減少した。
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まちの総人口が減少していく中、出生数を増やすのは困難だ。ただ、子どもを生み・育てる環境をさらに充実させることで、「子育てしやすいまち」と評価され、人口減少ペースに歯止めをかけることは不可能ではない。
かつて、自身の公約テーマに「人口減少社会への挑戦」を掲げた、水谷洋一網走市長の舵取りに期待がかかる。