連載 網走市の「いじめ問題」解決への本気度は?㊤

2024-02-22 掲載

(網走市/社会)

2つの第三者委による異例の同時期調査

 網走市では現在、2つの「同市いじめ問題調査委員会(第三者調査委員会)」による調査が進められている。2つの第三者委が同時期に調査に着手するケースは「異例中の異例」(管内公立小学校の管理職)だ。市内小中学校でのいじめ認知数、不登校数は増加傾向にある。こうした実情を踏まえ、同市教委は新年度(2024年度)予算案にいじめ対策に関する事業をいくつか盛り込んだ。新年度事業の内容などを通じて、同市教委の問題解決に対する〝本気度〟をお伝えする。(大)

市教委が新年度予算に事業費計上

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■2つの第三者委

 網走市教委は昨年3月、市内で初めてとなる第三者調査委を設置。続いて、昨年10月にも第三者調査委を設置した。

 昨年3月の設置ケースは市内中学校でのいじめ関連事案3件について調査が進められている。同10月の設置ケースは市内で中学生が亡くなった事案について、いじめの有無を含め調べられている。

 いずれの案件も、同市いじめ問題専門委員会で重大事態と認定されたことを踏まえ、同市教委が第三者調査委を設置した。

 網走市において前例のなかった状況を踏まえ、同市教委は新年度予算案に、いじめ対策関連の事業をいくつか盛り込んだ。

いじめ対策事業に2339万円
学校教育専門相談員配置事業は351万円

■2つの事業

 市から報道各社に配付された新年度予算案の資料に記された関連事業を紹介する。次の通りだ。

①【いじめ対策事業】(拡充2339万円)=いじめ問題の調査及び再発防止のために、いじめ問題調査委員会を運営します。また、いじめ防止アプリの導入、いじめ防止をテーマとした講演会を開催します(資料より)。

②【学校教育専門相談員配置事業】(新規351万円)=学校が抱える諸問題の未然防止、早期発見のため専門相談員を配置します(資料より)。

③【児童生徒カウンセリング事業】(506万円)=専門的な知識を持つカウンセラーを小中学校に派遣します(資料より)。

 今回の連載では①と②の事業に焦点を当てて、同市教委などに取材した。

多額の予算は第三者委の運営費を想定

 ①の事業費は2千万円を超え、近年の網走教育行政においては異例の多額予算措置(※自主財源を主とするケース)となった。しかし、その大半は第三者委を設置した場合の運営費である可能性が高い。

 …………

 次回は、新年度予算案に盛り込まれた事業内容のほか、市議会からの提言(いじめ対策について)を踏まえて同市教委が取り組もうとしていることなどを紹介する。

キーワード

  • いじめ問題

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