北見市教育委員会は2月29日に開いた臨時北見市教委で、市内小学校で発生した「いじめ重大事態」について報告。学校の対応のまずさにより事態が長期化、深刻化した―とするいじめ対策支援チームの調査結果を説明した。
調査結果によると被害児童は昨年5月以降、加害児童から「気持ち悪い」「汚い」などの悪口や机を離されるなどのいじめを日常的に受け、心身不調により学校を欠席せざるを得なくなった。
被害児童の保護者と担任教諭は5月に面談し登校状況について話し合ったが、その後学校側の事実確認や対応が適切に行われず、事態を長期化・深刻化させる大きな要因をつくったと見られる。
被害児童の保護者は9月に学校と市教委にいじめの実態を訴え、市教委は重大事態と認め市教委と外部有識者5人によるいじめ対策支援チームを発足。学校とともに被害児童、加害児童や周辺児童、教職員への聞き取りを実施した。
被害児童は転校し、現在は安定した学校生活を送っているという。
対策支援チームは教職員の情報共有の不備や校長のリーダーシップ不足、学校全体のいじめに対する意識の希薄さなどを指摘。「初期対応が適切に行われていれば、被害児童や被害児童保護者の心情に深く寄り添う対応ができ、早期のいじめ解決につながった」としている。
また「二度とこのようないじめ重大事態を発生させないよう校長がリーダーシップを発揮し、教職員すべての力を結集することで未然防止を徹底するよう強く求める」と要請している。(柏)