今秋の試行を目指し
北見市常呂地区地域包括支援センターは、住民主体で行う高齢者の移動支援の仕組みづくりに取り組む。地域住民が自家用車などを使い、移動手段のない高齢者の外出をサポートするもので、今秋の試行を目指し、新年度から月1回程度の勉強会を開いて地域にあった運用方法を探る。
常呂自治区では高齢者クラブの閉鎖が相次ぎ、昨年度16カ所あったクラブは現在12カ所まで減少している。徒歩で利用できるクラブがなくなり、外出機会が減ったお年寄りもいる。同センターによると、クラブ利用者からは「近い将来、車の運転ができなくなると通えなくなる」「自分の車に乗せてあげたいが事故が心配」などの不安の声も上がっているという。
高齢者が外出できない状況が続くと認知機能や身体機能の低下につながる恐れがあることから、同センターは介護予防のためにも地域の人が集まる場への移動支援の仕組みづくりを来年度から本格的に開始。善意で送迎している人が安心でき、身近にドライバーがいなくなっても誰かに送迎を頼める仕組みを目指したいとしている。
2月24日には常呂の老人いこいの家で「支え合いによる高齢者の移動支援勉強会」が開かれ、クラブや町内会の役員ら40人が参加した。NPO法人全国移動サービスネットワーク副理事長の河崎民子さんが講話を行い「まずはやってみることも大事。動いてみることで次の課題が見えてくる場合もある」と参加者にアドバイスした。
同センターは「常呂の皆さん、まずは地域の困りごとや課題について一緒に考えてみませんか」と、勉強会への参加を呼びかけている。興味のある人は同センター(0152-63-2026)へ。(理)