連載 網走初の特認校 ㊤

2024-04-18 掲載

(網走市/社会・教育)

呼人小中学校の挑戦

 網走市教委は、通学区域外からの通学を可能とする小規模特認校制度を2025年度にも呼人小中学校(神田秀樹校長、児童3人、生徒15人)に導入することを決めた。背景には児童・生徒数の急減があり、「教育活動の充実に支障をきたす恐れが生じている」(同校)ためだ。市内初となる小規模特認校はどのような学校になるのだろうか─。(大)

地域の児童・生徒 急減
「どうにかしないと」

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呼人小中学校

■学校を選ぶ

 呼人小中学校が小規模特認校に認定されれば、通学区域に関係なく市内のどこからでも就学が可能となる。例えば、本来の通学区域は市内の大規模校でも、希望すれば呼人小学校で学ぶことができるわけだ(※全ての学年に転入可能。募集定員を超える場合もあるため、確実に通えるとは言えない)。

 市内の教育関係者によると、現時点で同制度を導入しているのは、管内で3校。小中学校併置校としては呼人小中学校が初めてとなる。

 同校によると、今年度は導入に向けた周知期間と位置付けている。今後は市の広報誌やメディアなどを通じた周知に力を入れる。このほか、同校関係者が市内幼稚園などに出向くことも考えているという。

「小中一貫校」「体験活動の充実」「きめ細かな指導」を魅力に

■魅力

 小規模特認校としての呼人小中学校の魅力は何か?

 昨年12月に同校PTA会長と校長の連名で同教育長に提出された要望書には次のような文章が記されている。

 「特色ある教育活動として『小中一貫教育』『地域の教育資源を活用した体験活動の充実』『少人数によるきめ細やかな指導』等を予定しています」

 ~・~・~・~・~

 神田校長は小規模特認校となる呼人小中学校について「質・量ともに充実した体験活動を通じて、小中学の9年間で一人ひとりの夢を育てる学校にしたい」と話す。

 同校は以前からキャリア教育(自分の望む生き方を実現するために必要な能力などについて学ぶ)に力を入れている。

 例えば、小学生は道立網走養護学校との交流を継続している。同養護学校は呼人小中学校の近くにあり、「同じ地域に住む仲間として、互いを尊重し合う心の育成につなげている」(神田校長)。中学生は、東京農大網走に出向き、研究室の見学をはじめ教授陣や学生と交流し、高度な学びの一端にふれている。

 神田校長はこうした体験活動を通じて「地域に根ざした質の高い教育を展開し、児童・生徒にとって『種をまき、夢を育てる9年間』にしたい」と、小規模特認校の将来像を描く。

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  • 小規模特認校制度

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