■デメリット
市内の町内会数は、今年3月末時点で199。過去8年で初めて200台を割込んだ。
町内会がなくなる主な理由は「自主的な解散」だ。解散してしまったことによるデメリットとして、市に対しての①防犯灯の設置②除雪の要望③ごみステーションの設置要望④広報誌の配付⑤災害時の助け合い体制─などがスムーズにいかないことが考えられる。
町内会解散で「地域の要望」化難しく
①②③については、市に対して要望する際、住民の合意が重要になる。
例えば、市の除雪体制について要望する場合、個人の要望ではなく「地域の要望」とするためには住民の合意形成が求められる。町内会は、住民の合意形成を図る役目も担っている。
かつて、町内会は加入世帯が葬儀を執り行う際、頼れる存在であった。しかし、近年は葬儀会社のきめ細かなサービスが充実したことなどに伴って、その役目は終えた感がある。
西地区地域活動推進協は独自に
住民コミュニケーションの場を守り
■挑戦
市内の西地区(大曲、三眺地区など)は10年ほど前、町内会の減少に伴って連合町内会を組織できなくなった。地域コミュニティの維持・発展が困難になった状況を危惧した住民の一部は7年前、西地区地域活動推進協議会を設立し、独自な人口減少社会への挑戦を始めた。
同協議会は西コミセンを活動拠点として、地域の町内会や企業、学校、スポーツ少年団などと連携した各種事業に取り組む。避難訓練や飲食イベント、子どもの見守りなどを通じて、住民が西コミセンに足を運ぶきっかけづくりに力を入れている。
同協議会の役員は「町内会の維持が困難になっている中、まずは住民が気軽に集える場所を作ることが必要。助け合い・支え合える地域を作るためにはまず、住民のコミュニケーションが不可欠」と話していた。
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防犯灯やごみステーションの設置など公共サービスを維持するには、住民の合意が不可欠だ。住民の合意形成を図るためには日ごろのコミュニケーションが必要になる。人口減少が進む中、町内会の存続は大きな課題として浮上している。