■2500灯
市によると、防犯灯の設置基準は「著しく照度が不足している箇所とし、市街地においては、隣接する道路照明灯から60㍍以上離れた場所であり、灯具の間隔が概ね30㍍から60㍍ごとに1灯であること…」などとなっている。
防犯灯の最大の役目は、周囲を照らすことで犯罪や事故の誘発を防ぐことだ。
市が設置した防犯灯は、今年4月1日時点で2509灯。このうち、市が管理するのは1837灯、残りの672灯は92の町内会が担っている。
年間の電気料は約790万円。加えて、LED防犯灯リース料が約670万円となっている。
■管理システム
市は、防犯灯の管理を、各地区の市連合町内会(地区連)に委託している。委託を受けた地区連は、加盟する町内会の協力を得て「新規設置・移設」「球切れ」などの現地確認・情報提供を担う。
管理委託料は、「町内会支払いの防犯灯電気料の半分相当を交付している」(市)。
こうした〝管理システム〟は平成30年度に導入され、市と地区連による「市防犯灯管理業務委託に係る協定」内容に基づき運用されている。
同協定に基づいた管理システムに準じると、町内会が存在しない地域に防犯灯を設置するのは容易ではない。現行制度では、防犯灯を設置するには「管理業務を受託できる団体が存在する」ことが大前提となるからだ。
網走市議の石垣直樹氏(2期目)は、「町内会の存在しない地域に防犯灯は設置できない」とする市の見解について、定例市議会や所管委員会などで再三にわたり質問を続けている。
先日の定例市議会一般質問でも改めて市の見解を尋ねたが、議論は平行線のままだった。
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石垣氏と市役所との議論の最大の論点は、「人口減少期においてのまちづくり」だ。網走市の人口は減り続け、町内会の維持も困難な時代に突入した。石垣氏の再三にわたる質問は、「町内会の存在意義」についても疑問を投げかけている。