主催は町内のかご作家・谷幸子さんや地域おこし協力隊ら7人の有志でつくる「ナマステ企画」。知人の美大生から地域にある自然素材を使った制作がしたいという声をヒントに、町内に点在する魅力をつなぎ、地域を盛り上げようと合宿を企画。町の元気なまちづくり活動支援補助金を受け、長野県在住の画家、ナオト(山崎直人)さんの講演会をはじめ、町内外から講師8人を迎えて6つのワークショップを実施した。
このうち秋田地区で続く、しめ縄作りをベースにした「輪っこ作り」では、町内で1カ月ほど前に刈り取って乾燥させたスゲ草を使い、しめ縄のリースや酉(とり)飾りを作った。参加者は長年、地域で継承される手技に関心を寄せながら、ものづくりの喜びを感じていた。
このほか、野焼きができる粘土で土偶を作り、焼き肉のように炭火で焼く「土偶焼肉」などのユニークなワークショップもあり、講師や参加者、主催者が立場や年齢を越えて一緒に楽しみ、和やかな雰囲気が広がった。
主催の谷さんは「多くの方々に協力していただきました。芸術は必ずしも生きていくために必要なものではないかもしれませんが、暮らしに充足感をもたらす力があるとあらためて感じました。来年以降も続けたい」と話し、イベントに手応えを感じた様子だった。(理)