連載コラム・配達員のこぼれ話 ①

2024-10-31 掲載

(網走市/本紙連載)

子どもの〝声〟でパワー回復

 わたしは、情報紙「経済の伝書鳩」を配達している男性です。『配達』という仕事は大変な時もありますが、〝ちょっとした幸せ〟を感じることもあります。私が経験した「嬉しかったこと」「楽しい出来事」、そして「ちょっと辛かったこと」などをご紹介します。

 配達という仕事は基本的に「1人の世界」だと思っています。わたしは配達中、色々なことを考えています(未配しないように注意しながら!!)。

 わたしの配達場所は基本的にいつも同じ。「1人の世界」の仕事なので、当然ですが配達中に話す相手はいません。わたしは黙々と歩き、紙面をポストに入れ、そしてまた歩いてポストへ

―という繰り返し。

 「こんにちは!!」―。ある日の配達中、背後から元気な声が届きました。野球帽をかぶりランドセルを背負った男の子でした。

 実はこの男の子、今まで何度も見かけたことがありました。ですが、こちらから声をかけることはあえて避けていました(不審者として思われて子どもを怖がらせたくない、という思いもありました)。

 「こんにちは!!」と声をかけられたとき、わたしの心は弾みました。嬉しくて、嬉しくて、配達でしんどさを感じていた足がちょっと軽くなりました。

 翌日からこの男の子との〝偶然の出会い〟は、配達中のひそかな楽しみになっています。(配達員のO)

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