前川さんは父親が美幌町出身で、美幌にゆかりがある。講演会では、ニシローランドゴリラやマルミミゾウを写したアフリカなど世界各地での撮影エピソードを紹介。「チャレンジしないで終わるのはいや」と練習を重ねて臨んだザトウクジラの水中撮影では、クジラの全身を写すため魚眼レンズを使ったところ、クジラに近づき過ぎて胸びれで叩かれたことを振り返った。
世界各地での撮影エピソード紹介
「写真家の仕事」については「開発中のカメラで宣材写真を撮ることも重要な仕事」と紹介。動物写真家を目指したきっかけについて、町田善康学芸員の質問に答え「自然の中にいられるのがすばらしい。(動物写真家の故・)星野道夫さんの話に衝撃を受け、すごく背中を押されたことも大きいです。動物と出合う瞬間がエキサイティングでおもしろい。出合いに引き込まれました」と語った。
AIの台頭については「幻のような写真があふれるかもしれないが、現場で向き合って撮るドキュメンタリーの部分はなくなることはないと思っています」と述べた。
町内で撮影した作品も展示
前川さんの作品は、図書館、しゃきっとプラザなど町内の公共施設に展示されている。博物館では常設展示に加え、美幌町内で撮影した6点を追加。ヒグマをはじめ、美幌峠の絶景とともに写るハクセキレイ、エゾライチョウの幼鳥などが並んでいる。(浩)