置戸町の深川正美町長は13日に始まった定例町議会冒頭の行政報告で、国道242号の通行止めについてふれ「昨日、網走開発建設部から説明を受けたが、復旧までしばらく掛かりそうだ」と述べた。同開建の調査の結果、現場の地下の濁水の一部から基準値を超える水銀が検出されたことと、その緊急対策についても明らかにした。
急カーブ解消と見通し改善のため同町北光地区で国道242号の道路改良工事を実施中、排水施工個所で空洞が見つかったもの。同開建は8月25日から同町北光と町秋田間約3・8㌔を通行止めにして緊急調査を行っている。
同開建によると、ボーリング調査と地中レーダー探査を行い、空洞が2カ所あることが判明。規模を把握するため、さらに9月4日から掘削調査を行っている。
また、近くの土中から木材が発見された。
そのような状況から、自治体への聞き取りや文献調査を行い、空洞は昭和20年代に閉山した鉱山の坑道跡の可能性があると判断。道路敷地内の土質や坑道個所の水質を調査したところ、一部の土砂や濁水から基準値以上の水銀が検出されたという。
深川町長「徹底した安全対策」を要請
基準値は1㍑あたりの水銀量が0・005㍉㌘以下なのに対し、坑道跡の滞水は0・0066㍉㌘だった。「関係法令にそって適切に水の処理を行っている」とし周辺をブルーシートで覆う対策も行っている。
深川町長は町議会で「12日に現場で今後の進め方などの説明を受けてきた。開建には安全確保のための徹底した空洞調査と水銀を含む土壌の安全処理を重ねて要請した。そのため復旧にはもうしばらく時間を要するとみられる」と理解を求めた。(寒)