■減少傾向
同支援事業は2010(平成22)年にスタートし、家庭ごみを自らごみステーションに出すことが困難な高齢者世帯などに代わり、同人材センターや町内会、地元収集業者が請け負う。安否確認も兼ねている。
22(令和4)年度は129世帯が登録し、事業創設時の4・5倍に増えた。利用回数は、20年度から8千回を超えるようになった。
高齢者の増加に伴って同事業のニーズは高まる一方、ごみ出しサポートの中核を担う同人材センターの会員は減少傾向にある。
同人材センターは、60歳以上の高齢者に就労する場を提供している。今月15日時点での会員は278人。「5年前までは年間300人程度で推移していたが、コロナの感染拡大期を節目に減少傾向にあります」(同センター)。
■5年後には80代?
網走市において高齢者は増えている。4月1日時点の高齢化率(全人口に占める65歳以上の割合)の推移を見ると、23年は33・93%で、20年前と比べ15ポイントほど上昇している。
高齢人口は増加する一方で、同人材センターの会員数は減少傾向にある。背景には、「定年退職後も再雇用されるケースが増えていることと、定年後は労働以外に人生の楽しみを見つける市民が増えていることなどが考えられる」(同センター)。
会員の平均年齢も上昇している。今年7月末時点は75・6歳で、同センターは「1年で1歳アップするペースで推移しています」。5年後には、平均年齢が80代に到達しているかもしれない。
■解決策
同人材センターの会員減少と平均年齢の上昇などといった現状を踏まえ、市は同収集支援事業を継続するため「受託事業者や受託町内会などの確保による支援体制の強化が必要」とする。
ただ、人口減少に伴って深刻化する人手不足、そして地域コミュニティの維持・発展を担う人材不足という現状を踏まえると、市の考える「支援体制の強化」は簡単ではなさそうだ。