市教委の姿勢を市議の大半が疑問視
■説明の必要なし?
第三者調査委員会は10月11日に設置され、調査が始まった。同市教委は同市議会に一切説明をせず、調査に係る予算措置が不透明な状況が続いていた。
新聞報道を機に、同市議会・文教民生委員会は同市教委に説明を求め、11月21日の同委員会で第三者調査委についての報告を受けた。
同市教委がこれまで議会に説明しなかった理由は、今回とは別のいじめ問題で今年6月の議会審議を経て設置した、第三者調査委員会の関連予算(約900万円)の一部を、今回の調査に充てるため、議会に報告する必要はないと判断したためだ。
こうした〝議会スルー〟の手法は、岩永雅浩教育長の判断だったことも明らかにされたが、役所という組織の性質上、水谷洋一市長まで報告が上がっていることは間違いない。
古都市議「立ち上げ時点である程度の説明必要」
栗田市議「自分の子どもだったら…遺族の思い汲んで」
■議員の考え
〝議会スルー〟の同市教委について、11月21日の同市議会・文教民生委員会で古都宣裕市議は「(新たな第三者調査委員会が)立ち上がった時点で、ある程度の説明は必要」と指摘した。
金兵智則市議は「このやり方は間違えている。『はい、わかりました』と簡単に言っていい案件ではない。予算額を決めた時の根拠はどこにある、ということになる」と、議会軽視とも受け取れる同市教委の姿勢を正した。
栗田政男市議は「議会に報告したくなかったから、こういったやり方をしたのでは」とし、「自分の子どもだったらどうしますか? (遺族は)どんなに辛い思いをしているか、わかってあげてほしい」と役所職員を諭した。
厳しい指摘受け担当職員は非を認め
「配慮に欠ける対応あった」
里見哲也市議は「(市教委は)間違ったやり方をしているわけではないことは理解している」との見解を示した上で、「もう少し、何かいい方法があればな、と思います」とした。
複数の市議から厳しい指摘を受けた、同市教委の担当職員は「早い段階で議員に伝えておくべきだった」「配慮に欠ける対応があった」と、素直に非を認めていた。
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担当職員は、市議からの指摘に対して素直に非を認めたが、新聞報道がなければ、いまだに第三者調査委員会の設置を議会に報告していない可能性は高い。〝役所ファースト〟とも受け取られかねない今の網走市政。水谷市長の舵取りに期待がかかる。