北見市は11月、市民環境部内に「ダイバーシティ推進室」を新設した。ダイバーシティとは「多様性」を意味する言葉。市は年齢や性別、障がいの有無など互いの違いや個性を認め、尊重するまちづくりを目指しており、前市民生活課長の大越清美さん(55)が室長に抜てきされた。
辻直孝市長は先の選挙公約で「人権のまちづくり」を掲げた。具体策として「仮称・人権まちづくり条例」の制定や「ファミリーシップ制度」の導入を目指しており、同推進室が中心的な役割を担う。
辻市長の公約「人権のまちづくり」達成への中心担い
「気負うことなく取り組みたい」
室長以下5人体制で、室内には人権共生課を配置。人権擁護や人権啓発、男女参画、LGBTQなど人権にかかわる幅広い事業を担う。
「人権まちづくり条例」について大越室長は「人権にまつわる課題は差別や偏見、いじめやネット上の誹謗中傷、DV、貧困などとても幅広く、庁内での検討や関係団体と連携を図りながら形にしていきたい」と語る。
市は昨年、同性カップルを婚姻と同等に認める「パートナーシップ宣誓制度」を制定。新たに導入予定のファミリーシップ制度は、カップルの親や子どもも含めて家族関係と認める制度になる。このほか、宣誓カップルが婚姻関係と同等に各種民間サービスを受けられるよう、各事業所への働きかけを進めるという。
大越室長は「不当な差別を受けることなく市民一人ひとりが尊重され、安心して暮らせるまちづくりに向け、一つひとつ気負うことなく取り組みたい」と話している。(柏)